確定申告をはじめて自分でやろうと思ったとき、最初に悩んだのがソフト選びだった。
「freee、弥生、マネーフォワード……なんか全部似たようなこと書いてあるし、どれにすればいいんだ」と思いながら各社のサイトを見ていたが、比較記事を読んでも「どれもよさそう」にしか見えない。当たり前だけど、比較記事って広告を兼ねていることが多いので、都合の悪いことはあまり書いていない。
この記事では、不動産収入と給与収入を両方持つ私が実際に触ってみた感想と、「こういう人にはこれが向いている」という整理を書く。全部褒めるつもりはないし、正直に思ったことを書く。
⚠️ ソフトの料金・機能は変わることがあります。最新情報は各社の公式サイトで必ず確認してください。
【目次】
- そもそも確定申告ソフトを使う理由
- freee——とにかく「わかりやすい」を突き詰めたツール
- 弥生会計——老舗の安心感、コスパも実は悪くない
- マネーフォワード——家計管理と一体化できるのが強み
- 3社を並べて比べると
- 私だったらこう選ぶ
- まとめ
そもそも確定申告ソフトを使う理由

副業収入や不動産収入が発生した瞬間から、確定申告は義務になる。会社が年末調整をしてくれる給与収入だけの人なら不要だが、副業で年間20万円を超えたり、不動産収入があれば自分で申告しなければならない。
かつて私は手書きで申告していた時期があった。正確には、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」というウェブツールを使っていた。無料なので悪くないが、帳簿の入力が手動で、経費をまとめるのが地味に面倒だった。
専用ソフトを使い始めて変わったのは、「銀行口座やクレカの明細が自動で取り込まれる」点だった。これだけで申告にかかる時間が半分以下になった。月数百〜数千円のコストは、自分の時間の節約だと思えば全然ペイする。
freee——とにかく「わかりやすい」を突き詰めたツール
freeeは「会計知識がない人でも使える」ことを一番の売りにしている。実際、インターフェースはわかりやすい。「借方・貸方」みたいな言葉が一切出てこないで、「売上か、それとも経費か」という感覚で入力を進められる設計だ。
銀行口座・クレジットカードとの連携も強く、明細を取り込んで「これは何の取引?」と聞いてくれる。使い続けると学習して自動仕訳の精度が上がる。
ただ、使っていてひっかかる点もある。青色申告の「貸借対照表」の作成が、他のソフトと比べて少し操作の流れが独特で、最初は戸惑った。また、複式簿記をちゃんと学びたい人には「簡略化されすぎていて逆にわかりにくい」という意見もある。会計を理解しながら使いたいタイプには向かないかもしれない。
ちなみに私は今もfreeeを使い続けている。理由はいくつかあって、まずクラウドなのでスマホでも普通に入力できる点が大きい。領収書が出たその場でスマホのカメラで撮影して、そのまま仕訳まで完結する。財布に領収書を溜め込んで年末に一気に入力する、という苦行をしなくて済むようになった。
もう一つ、個人と法人の両方の帳簿を一つのアプリで切り替えながら管理できるのも助かっている。不動産の個人事業と、別で持っている法人を行き来するとき、いちいちログアウトしなくてもアカウントを切り替えるだけで済む。地味だけどこれが結構便利だった。
料金の目安:スターター(月980円〜)、スタンダード(月1,980円〜)。年払いで割引あり。初年度無料キャンペーンが出ることも多い。
freeeに向いている人:簿記の知識がない、初めて青色申告に挑戦する、スマホで日々こまめに入力したい、個人と法人を両方管理したい人。
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弥生会計——老舗の安心感、コスパも実は悪くない

弥生は1980年代から続く、国内でもっとも歴史のある会計ソフトのブランドだ。税理士やベテランの個人事業主が多く使っているのも、この積み重ねがあるからだと思う。
個人向けの「やよいの青色申告 オンライン」は、ソフトのUIが少し古めかしいが、必要な機能は全部そろっている。何より「初年度無料」のキャンペーンが頻繁にあって、まず一年使ってみてから継続するかどうか判断できる点がありがたい。
サポート体制も厚い。電話・チャット・画面共有での相談ができるプランがあるので、「申告直前にわからなくなった」というときの安心感がある。
デメリットとしては、銀行連携の対応金融機関数がfreeeやマネーフォワードより少し少ない印象で、スムーズに連携できない銀行があった。また、UIのデザインがやや地味で、若い人には「とっつきにくい」と感じる人もいるかもしれない。
料金の目安:セルフプラン(年8,800円〜)、ベーシックプラン(年15,400円〜)。初年度無料キャンペーン多数。
弥生に向いている人:コストを抑えたい、サポートの手厚さを重視する、税理士と一緒に使いたい人。
📌 やよいの青色申告 オンラインを見てみる
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マネーフォワード——家計管理と一体化できるのが強み

マネーフォワードは、個人の家計管理アプリ「マネーフォワード ME」で知っている人も多いと思う。その会計版が「マネーフォワード クラウド確定申告」だ。
個人的に一番便利だと感じたのは、MFの家計アプリとの連携だ。すでにMEで銀行・カードを連携している人は、その明細データをそのまま会計ソフトに引き込める。「同じ口座を何度も連携する」という手間がなくなるのは地味に助かる。
UIはfreeeほど「超・初心者向け」ではないが、きれいで使いやすい。複式簿記の概念を少しだけ理解している人には、むしろこちらのほうが馴染みやすいかもしれない。
気になる点としては、無料プランの機能制限が比較的厳しい。青色申告の65万円控除(電子申告が必要)を使いたい場合は有料プランが必須になる。
料金の目安:パーソナル(月1,280円〜)、パーソナルプラス(月2,980円〜)。年払い割引あり。
マネーフォワードに向いている人:すでにMFの家計アプリを使っている、銀行口座の連携数が多い、スマホでの操作を重視する人。
📌 マネーフォワード クラウド確定申告を見てみる
無料プランから始めて、必要になったら有料へ切り替えも可能。マネーフォワードを見てみる →
3社を並べて比べると
| freee | 弥生(青色申告オンライン) | マネーフォワード | |
|---|---|---|---|
| 操作のわかりやすさ | ◎(簿記知識不要) | ○(やや昔ながらの画面) | ○(きれいで使いやすい) |
| 料金(目安) | 月980円〜 | 年8,800円〜(初年度無料多) | 月1,280円〜 |
| 銀行・カード連携数 | ◎(業界最多水準) | ○(主要どころは対応) | ◎(MFとの連携が強力) |
| 青色申告65万円控除 | ○(有料プランで対応) | ○(有料プランで対応) | ○(有料プランで対応) |
| サポートの手厚さ | ○ | ◎(電話・画面共有あり) | ○ |
| 初心者向けか | ◎ | ○ | △〜○ |
| 不動産収入への対応 | ○ | ○ | ○ |
| スマホアプリ | ○ | ○ | ◎ |
※料金・機能は時期によって変わります。必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
私だったらこう選ぶ
正直に言う。「絶対にこれが一番」とは言えない。それぞれ向いている状況が違うから。
私の場合は、給与収入+不動産収入があり、かつ個人と法人の両方で帳簿を管理している。結論から言うと、今はfreeeに落ち着いている。スマホで領収書を撮ってその場で仕訳できること、個人と法人のアカウントをアプリ内で切り替えて使えること、この2点が決め手だった。日々の入力のハードルが下がって、申告直前に慌てる回数が明らかに減った。
初めて青色申告をやる人なら、私はfreeeをすすめる。画面の案内通りに進めるだけで、何をすればいいかがわかる。「簿記って何?」という状態から始めても迷いにくい。
コストを抑えたい人なら弥生が強い。初年度無料キャンペーンを使えば、とりあえず一年タダで使えるので、まず試してみやすい。電話サポートがある安心感も、申告に慣れていない人には大きいと思う。
MFの家計アプリをすでに使っている人なら、マネーフォワードが一番スムーズだ。連携している口座の明細をそのまま引き継げるので、「また同じ口座を登録するのか……」という二度手間がない。
どれを選んでも、確定申告ソフトを使わないで手動でやり続けるよりは、圧倒的に楽になる。私が実感した最大の変化は「申告が怖くなくなった」ことだった。
まとめ
3つのソフトをひとことで整理するとこうなる。
freeeは「入力のわかりやすさ」が突出していて、初めての人にやさしい。弥生は「老舗の安定感とコスパ」で、特に初年度無料のお試し感覚で始めやすい。マネーフォワードは「家計アプリとの連携」が強く、すでにMFユーザーなら乗り換えコストが一番少ない。
どれが正解かは人による。でも、どれかひとつを選んで始めることが、何より大事だと思っている。確定申告を自分でやると、税金のしくみが肌感覚でわかるようになる。そこからが、本当のお金の勉強の始まりだ。
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