ずっと疑問だったことがある。
よく知っている社長や自営業者が、年収を聞くとそこまで高くない。なのに、高級車に乗っていたり、いいマンションに住んでいたり——どういうことだろう?と。
この謎が解けたのは、確定申告を自分でやり始めてからだった。
不動産投資を始めたことで、初めて確定申告と向き合うことになった。最初は「なんだかよくわからない書類」でしかなかったのが、やっていくうちに税金の仕組みがどんどん見えてきた。そして気づいた。「サラリーマンは、税金について何も知らないまま損をしていることが多い」と。
今日は、「確定申告を一度でいいから、自分でやってみてほしい」というすすめを、実体験とともに書いてみたい。
【目次】
- なぜサラリーマンが確定申告をすべきなのか
- 確定申告で「初めてわかった」こと
- まず確定申告できる代表的なケース
- 不動産投資と青色申告の話
- 私の実体験——損益通算で税金ゼロだった年のこと
- おすすめの本と、次のステップ
なぜサラリーマンが確定申告をすべきなのか

サラリーマンは、基本的に確定申告をしなくていい仕組みになっている。会社が年末調整をしてくれるからだ。
でも、それは「税金の計算を全部会社に任せている」ということでもある。自分がいくら税金を払っているか、どの項目で取られているか、下げるにはどうすればいいか——そういった感覚が育ちにくい。
これは、かなり損をする状態だと思っている。
お金を増やすことを考えるなら、「稼ぐ」だけでなく「税金を知る」ことが同じくらい重要だ。確定申告を一度自分でやるだけで、税金に対する感覚が劇的に変わる。
確定申告で「初めてわかった」こと

私が確定申告を通じて初めて気づいたことを、いくつか正直に書いてみたい。
① 自分がいかに多くの税金を払っているか
給与明細に「所得税」「住民税」「社会保険料」と並んでいるのは知っていた。でも「合計でいくらか」を意識したことがなかった。確定申告で全体を自分で計算してみると、手取りに対していかに大きな額が引かれているかが、肌で感じられる。
② 社長・自営業者が「高い車」「いいマンション」に住める理由
冒頭の謎の答えがこれだ。法人や事業者は、仕事に関わる費用を「経費」として売上から差し引くことができる。事業に使う車なら会社の経費にできる。事務所兼用の自宅なら家賃の一部を経費にできる。つまり「見えている収入は少ないが、生活費の多くを経費で賄っている」という構造がある。サラリーマンには原則この仕組みがないが、副業・不動産投資があれば一部活用できるようになる。
③ 還付されるお金があることに気づく
確定申告で申告できる項目は、実は多い。医療費控除、ふるさと納税、住宅ローン控除……これらは年末調整では自動的に処理されないものもあり、確定申告をしなければ還付を受け損ねることがある。
まず確定申告できる代表的なケース
不動産投資はまだ先という方でも、以下のケースなら確定申告で還付を受けられる可能性がある。まずここから始めてみるのがおすすめだ。
| ケース | 内容・ポイント |
|---|---|
| 医療費控除 | 年間の医療費が10万円超(または所得の5%超)の場合。出産・歯科・入院なども対象。家族全員分をまとめて収入の多い方が申告するとお得(税率が高い方が控除の恩恵が大きいため) |
| 副業・雑所得 | 副業の所得が20万円を超えた場合は申告義務がある。20万円以下でも、税金を正確に処理するために申告することを推奨 |
| ふるさと納税 | ワンストップ特例制度を使わなかった場合や、6自治体以上に寄附した場合は確定申告が必要 |
| 不動産収入 | 家賃収入があれば申告が必要。各種経費・減価償却を計上することで節税が可能 |
⚠️ 医療費控除は「収入の多い方」が申告するのがポイント
夫婦どちらが申告してもよい医療費ですが、所得税率が高い(収入が多い)方が申告するほど、同じ控除額でも還付額が大きくなります。出産の年などは特にまとまった医療費になるので、夫婦で確認してみてください。
不動産投資と青色申告の話

私が本格的に確定申告と向き合ったのは、不動産投資を始めてからだ。
不動産で家賃収入が発生した時点で、白色申告か青色申告かを選ぶ必要がある。私は迷わず青色申告を選んだ。手間はかかるが、メリットが大きいからだ。
📌 青色申告と白色申告の違い(不動産投資向け)
| 青色申告 | 白色申告 | |
|---|---|---|
| 最大控除額 | 最大65万円控除(e-Tax利用・複式簿記の場合) | 控除なし |
| 赤字の繰越 | 最長3年間繰り越し可能 | 不可 |
| 家族への給与 | 専従者給与として経費計上可 | 制限あり |
| 手続きの手間 | 複式簿記・帳簿保存が必要 | 比較的シンプル |
※青色申告を行うには、開業届と「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります(適用したい年の3月15日まで、または開業から2ヶ月以内)。
最初はわからないことだらけだった。税務署に何度か足を運んで、職員の方に直接教えてもらいながら進めた。窓口の方は丁寧に教えてくれるので、「税務署に相談しに行く」という方法は意外とおすすめだ。恥ずかしいことは何もない。
私の実体験——損益通算で税金ゼロだった年のこと

確定申告を続けていく中で、「こんなことができるのか」と驚いた仕組みがある。損益通算だ。
不動産投資では、建物の減価償却・修繕費・ローンの利子・管理費など、さまざまな経費を計上できる。特に物件を取得したばかりの時期は、こういった経費が家賃収入を上回る「不動産所得がマイナス」の状態になることがある。
このマイナスを、給与所得と合算することができる。これが損益通算だ。
📌 損益通算のイメージ
給与所得 800万円 + 不動産所得 ▲800万円 = 課税所得 0円
→ 所得税・住民税がほぼゼロになる
※実際の税額は社会保険料や各種控除によって変わります。具体的な計算は税理士にご相談ください。
私自身、投資活動に関わる費用をすべて経費として申告することで、本業の給与所得と合算した結果、課税所得がほぼゼロになり、何年もの間、所得税をほとんど払わなかった年があった。
ただし——今は意図的に、きちんと税金を払うようにしている。
なぜかというと、銀行の融資審査は確定申告の内容を重視するからだ。所得ゼロ・税金ゼロの申告書を出し続けると、「この人に追加融資はできない」と判断されてしまう。融資を継続的に受けながら物件を増やすフェーズでは、「銀行に評価される申告」を意識する必要がある。
節税と融資は、時にトレードオフになる。このバランスをどう取るかが、不動産投資を続けていく上での一つの課題だ。
また、より効率的に税を最適化するために、法人を立ち上げた。法人を持つことで個人と法人の間で所得を分散させたり、経費の幅が広がったりと、個人だけでは使えない選択肢が増える。このあたりの詳細はまた別の記事で書いていきたい。
おすすめの本と、次のステップ
確定申告の全体像を理解するには、一冊きちんとした本を読むのが早い。私が参考にして今もおすすめできる本はこちらだ。
📌 確定申告の入門書としておすすめの一冊
不動産投資の確定申告から青色申告の基礎まで、体系的に学べる本です。税務署に行く前に読んでおくと、質問の質が変わります。
→ 確定申告おすすめ本(Amazonで見る)

「税務署に行くのは怖い」と感じる方もいると思うが、税務署の窓口は無料で相談に乗ってくれる。初回は「初めて確定申告をします」と伝えれば、一から丁寧に教えてもらえる。恥ずかしくない。むしろ活用した方がいい。
最初の一歩として、取り組みやすいものから始めることをおすすめする。
- 医療費が多くかかった年 → 医療費控除の申告からスタート
- 副業で収入がある → 雑所得・事業所得の申告へ
- 不動産投資を始めた → 青色申告へ移行
- 物件・所得が増えてきた → 法人化を検討
税金を「知らずに払い続ける」のと「仕組みを理解して向き合う」のでは、長期的には大きな差になる。一度やってみれば、きっと見える景色が変わるはずだ。
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確定申告を初めてやってみて「こんなことがわかった!」という発見があれば、ぜひコメントで教えてください。同じように「何から始めればいいかわからない」という方のヒントになると思います。
※本記事は個人の体験・理解をもとに執筆しています。税務処理の詳細はお住まいの地域の税務署または税理士にご確認ください。税制は変更される場合があります。


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