不動産投資をしていて法廷に立った話——明け渡し訴訟の実体験を正直に書く

不動産

不動産投資を始めるまで、法廷に立つことになるとは思っていませんでした。

でも、実際に立ちました。弁護士を通さず、自分の名前で申し立てをして、裁判所から招集状が届いて、1か月後に判決文が届いた。そういう経験をしました。

不動産投資には家賃収入というメリットがある一方で、入居者トラブルというリスクも確実にあります。今回はその中でも、なかなか経験できないケースの話を書きます。すでに売却した物件の話ですが、同じような状況に直面している大家さんの参考になれば。

【目次】

  1. 問題が起きやすい物件だった
  2. 滞納が始まり、長期化していった
  3. 管理会社と相談して、訴訟を決めた
  4. 明け渡し訴訟とは——簡単に仕組みを説明します
  5. 手続きの流れと、実際に起きたこと
  6. 判決後、部屋を明け渡してもらうまで
  7. 滞納への対応フロー——目安の流れ
  8. この経験で学んだこと
  9. まとめ

問題が起きやすい物件だった

その物件は東京郊外にある、10部屋の物件でした。すでに売却しています。

賃料が比較的安く設定されていたこともあり、入居者の属性はばらつきがありました。10部屋のうち6部屋ほどが生活保護を受けている方だったと思います。生活保護の入居者さん自体を否定するわけではありませんが、賃料が安い物件にはさまざまな事情を抱えた方が集まりやすく、トラブルが起きる確率も上がりやすいという現実があります。

今回の対象の入居者さんは生活保護ではなかったと思いますが、前のオーナーから引き継いだ方で、保証会社にも入っていませんでした。1か月滞納しては翌月払う、ということを繰り返していた人でした。

そのパターンがある時から崩れました。

滞納が始まり、長期化していった

滞納が始まったとき、最初のうちは「また遅れているのかな」という感覚でした。でも今回は払いに来なかった。2か月、3か月と経過した。

管理会社さんが連絡を取り続けてくれていましたが、なかなか繋がらない。部屋には人がいる形跡があるが、出てこない。そういう状況が続きました。

4か月を超えた段階で、管理会社さんと正式に方針を話し合いました。

「このまま待っていても解決しない。明け渡し訴訟を進めましょう。」

そう言われたとき、正直「自分が裁判所に関わるのか」という驚きがありました。でも冷静に考えると、これ以外に合法的な手段はない。感情で追い出すことは絶対にできません。法的な手続きを踏むしかないのです。

⚠️ 重要:家賃を滞納されても、大家が勝手に部屋の鍵を交換したり、荷物を撤去したりすることは「自力救済」として違法になります。どんなに滞納が長期化しても、法的手続きを通じて退去を求めることが原則です。

管理会社と相談して、訴訟を決めた

管理会社さんには、滞納者への対応として明け渡し訴訟を進めるノウハウがありました。「弁護士を立てると費用がかかります。今回は簡易裁判所への申し立てで進めましょう」という提案でした。

費用と手間を考えると、その方針が現実的でした。弁護士費用は着手金だけで数十万円かかることもあります。簡易裁判所への申し立てであれば、申立手数料は数千円程度で済みます(案件の内容・請求額によって異なります)。

方針は「おそらく被告は法廷に出てこないだろう。その場合は欠席裁判になり、こちらの主張が認められやすい。その判決をもって退去を求める」というものでした。

書類の下書きはすべて管理会社さんが準備してくれました。私が行ったのは、自分の名前で確認・署名し、郵送する作業です。費用の負担はありましたが、実務的な手間のほとんどは管理会社さんが担ってくれました。

明け渡し訴訟とは——簡単に仕組みを説明します

経験前の私はまったく知らなかったので、読んでくれている方のために簡単に説明します。

明け渡し訴訟とは、賃借人(入居者)が正当な理由なく退去しない場合に、貸主(大家)が裁判所を通じて退去を命じてもらう手続きです。

請求額が140万円以下の案件は「簡易裁判所」で扱われます。家賃の数か月分程度であれば、多くの場合はここに該当します。弁護士なしでも申し立て可能です(本人申立)。

手続きの流れはざっくりと以下のようになります。

📌 明け渡し訴訟の一般的な流れ

  1. 内容証明郵便で督促・契約解除を通知
  2. 簡易裁判所へ申立書を提出(申立手数料が必要)
  3. 裁判所から当事者双方へ呼出状が送達される
  4. 口頭弁論期日(被告が出廷しない場合は欠席裁判)
  5. 判決(明け渡し命令)が出る
  6. 判決書を元に退去を求める/強制執行へ

※手続きの詳細・費用は事案によって異なります。管理会社や弁護士にご確認ください。

手続きの流れと、実際に起きたこと

申し立てをしてしばらくすると、裁判所から招集状が届きました。

同時に被告(入居者)にも招集状が送られましたが、「受け取りを拒否した」という連絡が裁判所から入りました。これはよくあることらしいのですが、受け取りを拒否しても手続きは止まりません。

ただ、「被告が郵便を受け取っていないと証明できない」となると、予定通りの日程で裁判が開けないケースもあります。そこで裁判所から「被告が現地にいることを確認した記録を提出してほしい」と言われました。

私が現地を確認したこと、管理会社さんが確認したこと——その記録を調査票に記入して提出しました。それによって、予定通りの日程で裁判を開くことができました。この「現地確認と記録」が、意外と重要なステップでした。

裁判当日、被告は出廷しませんでした。欠席のまま口頭弁論が行われ、約1か月後に判決文が届きました。

判決後、部屋を明け渡してもらうまで

判決文が届いてからの手順もあります。

まず、その判決文を部屋の郵便受けに投函しました。入居者が読んだかどうかを確認した上で、最終的に管理会社さんに依頼して部屋を開錠・入室しました。

中を確認すると、すでに生活の形跡はほとんどなくなっていました。荷物は残っていましたが量はそれほど多くなかった。ただ、残置物をすぐに処分するのは問題があります。一定期間、別の空室に移動させて保管し、その後処分の手続きをとりました。

部屋は原状回復のリフォームを行い、入居募集を再スタートしました。空白期間は相当ありましたが、ようやく前に進めました。

📝 残置物について:入居者の荷物が残っていても、判決があるからといって即座に捨てることはできません。「残置物処理」には一定の手続きが必要で、管理会社や弁護士と確認しながら進めることをおすすめします。

滞納への対応フロー——目安の流れ

滞納期間の目安一般的な対応今回の実際の動き
1〜2か月管理会社から督促の連絡・通知管理会社が連絡を試みるが繋がりにくい状況が続く
2〜3か月内容証明郵便で契約解除の通知管理会社・オーナーが現地確認。形跡はあるが出てこない
4か月〜簡易裁判所へ明け渡し訴訟を申し立て管理会社が書類準備・オーナー名で申立。招集状が届く
申立〜約1か月口頭弁論(被告欠席の場合は欠席裁判)被告は出廷せず。現地確認記録を裁判所に提出
判決後判決書を元に退去を求める。強制執行も可能判決文を投函→入室確認→リフォーム→入居募集再開

この経験で学んだこと

法廷に立った、という話を人にすると、だいたい驚かれます。でも不動産投資をある程度続けていれば、こういうことが起きる確率はゼロではない。むしろ物件によっては、十分に起こりうることだと思うようになりました。

今回の経験から学んだことを正直に書きます。

まず、属性の低い入居者が多い物件はトラブルが起きやすいという現実です。賃料が安い物件は利回りが高く見えることがありますが、その分リスクが高い場合があります。管理の手間、トラブル対応の時間、空室損失——それらを含めて考えると、利回りだけで判断してはいけないと感じました。

次に、保証会社なしで引き継いだ入居者のリスクです。前のオーナーから引き継いだ入居者は、保証会社に加入していないことがあります。こういう入居者は、何かあったときに手続きが複雑になる。購入時に確認すべきポイントの一つでした。

そして、管理会社との信頼関係の大切さです。今回、書類の準備から手続きの流れまで、管理会社さんに助けてもらいました。自分一人ではここまでスムーズに動けなかったと思います。良い管理会社を持つことは、不動産投資において本当に重要だと実感しました。

この物件には他にも問題があったのですが、それはまた別の機会に書こうと思います。

まとめ

不動産投資をしていて法廷に立つことになるとは、最初は思っていませんでした。でも実際に経験してみると、適切な手順を踏めば対処できるものだということも分かりました。

大事なのは感情で動かないこと。どんなに腹が立っても、法的な手続きを踏む以外に方法はありません。そして一人で抱え込まず、管理会社や専門家に頼ること。

不動産投資は「不労所得」とよく言われますが、こういう場面では当事者として動くことが求められます。それも含めて、不動産投資のリアルだと思っています。この話が、誰かの参考になれば幸いです。

📣 同じような経験をされた方はいますか?

家賃滞納・入居者トラブルを経験した大家さん、あるいは今まさに困っている方がいれば、ぜひコメントで教えてください。一人で悩まず、情報を共有できればと思っています。

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※本記事は個人の体験・見解をもとにしています。家賃滞納・明け渡し訴訟に関する手続きや費用は案件によって異なります。実際の対応にあたっては、管理会社・弁護士など専門家にご相談ください。

プロフィール
この記事を書いた人
さいかすたろう

さいかすたろう|45歳からの自由研究

20年以上会社員として働きながら、不動産投資と資産形成を続けてきました。現在は総資産3億円。退職後の自由な暮らしを目指して挑戦中です。同じ悩みを持つ方の参考になる情報を発信しています。

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