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気になっていた本をやっと読みました。
以前から参考にしているブログの方々や、仲良くしている投資家さんが「良かった」と言っていた本です。タイトルは知っていましたが、なかなか手が伸びずにいました。
読む前の印象は、「お金を残したまま死んでも意味がないから、使い切りましょう」という内容の本だろうと思っていました。それ自体は理解できるけれど、それだけのことを一冊書いても、読む意味はそれほどないかな、と。
でも、読んでみたら違いました。
今の自分に刺さる内容が、思っていた以上に多かったです。FIREを目指している人には、特に読んでほしい一冊だと思います。
📚 書籍情報
書名:DIE WITH ZERO——人生が豊かになりすぎる究極のルール
著者:ビル・パーキンス(Bill Perkins)
読んだ時期:45歳、退職準備を進めている時期に

【目次】
- 「使い切ろう」より深い話だった
- タイムバスケットという考え方
- ガラパゴス諸島を「バスケット」に入れた
- 「減らさないこと」を考えていたら不安になった
- 減らすタイミングを決めるという発想
- 会社のために使っている時間の話
- 残り何年あるかを計算してみる
- FIREを目指す人に特に読んでほしい
「使い切ろう」より深い話だった
この本のタイトルだけを見ると、「老後の資産を使い切ろう」というシンプルなメッセージの本に見えます。私もそう思っていました。
でも、著者が本当に言いたいのはそこではありませんでした。
核心は「人生の終わりを意識して、今しかできないことに投資をする」という点にあります。お金を使い切ることが目的ではなく、時間とお金を最大限に活かすための考え方の話でした。
お金をただ貯め続けることが目的になってしまうと、「お金を守ること」が優先され、「人生でやりたいこと」が後回しになる。その末に資産だけが残って死ぬとしたら、何のために稼いでいたのか——という問いが、この本には通底しています。
タイムバスケットという考え方
読んでいて一番「やってみよう」と思ったのが、「タイムバスケット」という概念です。
人生をいくつかの時間の区切り(バケツ)に分け、「この期間にやりたいこと」を入れていくという考え方です。「いつかやりたい」という漠然とした願望ではなく、「45〜55歳のうちにやる」という形で期間を決める。
これがなぜ重要かというと、やりたいことには「その年齢でしかできないこと」があるからです。体力、時間、経済的な余裕——これらが同時に揃う時期は限られています。特に体力や健康は、歳を重ねるほど制約が増えます。「いつかやろう」と思っていたことが、気づいたときには「もうできない」状態になっていることがある。
だからこそ、期間を意識して「このバスケットに入れる」ことで、漠然とした「いつか」を、具体的な計画に変えられます。
タイムバスケットの考え方(例)
- 45〜55歳:体力が必要な旅行・冒険・新しい挑戦
- 55〜65歳:ゆっくりとした旅、学び、地域とのつながり
- 65歳〜:身近な人との時間、穏やかな日々
「いつか」でも「来年」でもなく、「この期間に」という設定が、長期的に計画を進める力になります。
ガラパゴス諸島を「バスケット」に入れた
この考え方を読んで、すぐに頭に浮かんだのがガラパゴス諸島への旅行です。
ずっとやりたいと思っていながら、後回しにしていたことの一つです。ガラパゴスは移動時間が長く、体力的な負担も小さくありません。60代、70代になったとき、同じように動けるかというと、正直わかりません。体が動かなくなってからでは、行けない旅です。
であれば、「45〜55歳のバスケット」に入れておく。5年後、10年後に「そういえばあれをやる予定だった」と思い出すためのラベルを貼っておく。それだけで、「いつかやりたい夢」が「計画中のこと」に変わります。
タイムバスケットは、夢を現実に近づけるための整理棚だと感じました。
📚 関連記事:やりたいことを紙に書き続けて15年——かなったこと、かなわなかったこと、気づいたこと
「減らさないこと」を考えていたら不安になった
FIREを目指している人間として、もう一つ刺さった章があります。「資産を減らすタイミングを決めよう」という内容です。
私はこれまで、「どうすれば資産を減らさずに生活できるか」ということを考え続けてきました。退職後も家賃収入で生活を支えながら、元本は維持したい。できれば増やしたい。そう考えるのは自然なことだと思っていました。
でも、考えれば考えるほど不安になります。「この家賃収入で本当に足りるのか」「物価が上がったらどうなるか」「修繕費が重なったら」——計算すればするほど、「余力が足りないかもしれない」という気持ちが湧いてきます。
何度シミュレーションをしても、どこかに不安が残る。その感覚を、この本は的確に言語化してくれていました。
減らすタイミングを決めるという発想
この本の答えは、「最終的にゼロにすることを前提として、減らすタイミングを計画する」というものでした。
資産を「増やし続けること」を目標にするのではなく、「どのタイミングから、どのくらいのペースで使っていくか」を決める。その視点を持つだけで、「減らさないこと」への執着が少し緩む、という話です。
もし最後にお金が大量に残って死ぬとしたら、そのお金を稼ぐために費やした時間は、自分のためのものではなかったことになります。我慢して働いた時間が、結果として誰かに渡るためのものだったとしたら——そう考えると、少し虚しい気持ちになります。
であれば、資産を使いながら、自分がやりたいことにお金と時間を配分していく。その設計をするために、「終わりを意識する」ことが必要だということです。
資産を減らすことを怖がるのではなく、減らすタイミングを自分で決める。その発想の転換が、この本の大きなメッセージの一つでした。
会社のために使っている時間の話
読みながらもう一つ考えさせられたのは、現在の時間の使い方です。
今、会社から給与をもらうことで確かに資産を増やすことができています。ただ、その時間は自分のためにやっていることかというと、そうではない部分も多い。会社のため、組織のため、目の前の仕事のため——そのために使っている時間が、週の大部分を占めています。
DIE WITH ZEROを読みながら、「今の自分はどのくらいの時間を自分のために使えているか」を問い直しました。お金を増やすための時間と、人生を豊かにするための時間は、必ずしも一致しません。
FIREを目指しているのは、働かないためではありません。自分で仕事を選べる状態を作るためです。この本を読んで、その方向性は間違っていないと改めて思いました。
📚 関連記事:私がFIREを目指すことにした理由——45歳、会社員、タイ赴任から退職準備まで
残り何年あるかを計算してみる
この本が勧めていることの一つに、「自分の残り時間を具体的に考える」というものがあります。
漠然と「まだ時間はある」と思っているうちは、行動が後回しになります。でも「あと何年、体が動くか」「あと何年、好きな場所に旅行に行けるか」を具体的に考えると、「今やらないといつやるのか」という問いが生まれます。
私は45歳です。ガラパゴスに行けるのは、あと何年あるのか。若い頃にしかできないことが、まだ残っているとすれば、それはいつやるのか。
「残り時間を意識することで、不安になるのではなく、今すべきことが見えてくる」——この本を読んで、そう感じました。残り時間を可視化することが、行動につながるということです。
FIREを目指す人に特に読んでほしい
最後に、この本を特にどんな人に勧めたいかを書いておきます。
FIRE(Financial Independence, Retire Early)を目指している人、あるいは早期退職を考えている人に、ぜひ読んでほしいです。「資産をどう守るか」を考えることに疲れている人、「退職後が不安」という気持ちが拭えない人にも。
この本は、お金を無謀に使い切ることを勧めているわけではありません。「終わりを意識することで、今の使い方が変わる」という話です。お金の使い方以上に、時間の使い方について考えさせてくれる本でした。
「いつかやろう」と思っていることが、実は今しかできないかもしれない。その問いと向き合うきっかけとして、手に取る価値があります。

📚 書籍情報
書名:DIE WITH ZERO——人生が豊かになりすぎる究極のルール
著者:ビル・パーキンス(Bill Perkins)
📚 関連記事:人生を変えた本4冊——不動産投資と法人設立の原点にある読書の記録
まとめ
DIE WITH ZEROは、「お金を使い切ろう」という本ではありませんでした。「終わりを意識して、今しかできないことに時間とお金を使おう」という本でした。
特に響いたのは「タイムバスケット」と「資産を減らすタイミングを決める」という二つの考え方です。いつかやりたいことに期間を設定し、資産を守ることより使う設計をすることで、不安ではなく前向きな気持ちで今を過ごせる——そういうメッセージでした。
FIREを目指している人、退職後の生活を考えている人に、おすすめできる一冊です。
DIE WITH ZEROを読んだことがある方、「タイムバスケット」を実際に作ってみた方——ぜひコメントで感想を教えてください。
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