退職を考え始めてから、ずっと後回しにしていたことがありました。
「給与がなくなったら、実際にいくら残るのか」を、ちゃんと計算すること。
不動産収入があるから大丈夫、という感覚はあった。でも感覚は感覚です。実際に数字を並べて計算したことはなかった。妻から「ちゃんと数字で見せてほしい」と言われたこともあり、腰を上げてまとめてみました。
自分の話なので、できるだけ正直な数字で書きます。
【目次】
- まず、家賃収入の総額から
- ローン返済を引いていく
- 経費を見積もると
- 2025年の実績キャッシュフロー
- 3つのシナリオで考える
- 辞める前にもう1棟、買っておきたい理由
- 株・FXも視野に入れていること
- 収支シミュレーション一覧
- まとめ
まず、家賃収入の総額から
現在、4棟の物件を保有しています。それぞれから毎月家賃が入ってきていて、年間でまとめると約2,780万円になります。
この数字を見ると「すごい」と思われるかもしれませんが、ここから色々と引いていくとかなり変わります。グロスの数字だけ見て満足してはいけない、というのが不動産投資の基本です。
ローン返済を引いていく
4棟合計の借入残高は約2.1億円あります。これを毎月返済していて、元金返済も含めた年間の返済額は約1,467万円です。
家賃収入2,780万円からこれを引くと、残りは1,313万円。
「月100万円以上残るじゃないか」と思うかもしれませんが、まだここから引くものがあります。
📌 ここまでの計算
- 年間家賃収入(グロス):2,780万円
- 年間ローン返済額(元金+利息):▲1,467万円
- 差引き:1,313万円
経費を見積もると
不動産投資にはローン返済以外にも経費がかかります。管理費、修繕費、固定資産税、火災保険料、仲介手数料など。
大雑把な目安として、家賃収入の約20%を経費として見積もっています。2,780万円の20%は約556万円です。
先ほどの1,313万円からこれを引くと、残り757万円。月にすると約63万円になります。
ただし、この経費率はあくまで見積もりです。修繕が重なった年はもっとかかります。逆に修繕が少ない年は20%を下回ることもある。
2025年の実績キャッシュフロー
見積もりではなく、実際の数字で確認してみました。各物件でつけている収支をまとめると、2025年の税引前キャッシュフローの実績は約667万円でした。
計算上の757万円より90万円ほど少ない。修繕費や突発的な出費があったためです。これが「現実」の数字だと思っています。
667万円を12か月で割ると、月約55万円。
この数字が、今の私の「退職後の基準収入」と考えています。
📝 税引前である点に注意:この667万円は税引前の数字です。不動産所得には所得税・住民税がかかります。実際の手取りはここからさらに減ります。確定申告で経費を適切に計上して、税負担をできる限り適正に保つことが大事です。
3つのシナリオで考える
現実の数字を踏まえて、3つのレベルで考えてみました。
ベストケースは月63万円。空室がなく、修繕も少なく、経費が計算通りに収まった場合です。これは「理想の年」であって、毎年続くとは思っていません。
現実レベルは月55万円。2025年の実績に近い数字です。多少の修繕や空室を織り込んだ水準で、「普通の年」のイメージです。
最低ラインは月45万円。空室が増えたり、修繕が複数重なったりした場合です。ここまで落ちると、正直余裕がなくなります。生活費が削られ、預金を取り崩す可能性が出てきます。
「最低ラインでも生活できるか」という問いに、今の私は「ギリギリ」と答えます。子どもの教育費、将来の医療費、不測の事態——それらを考えると、45万円では心もとない。
辞める前にもう1棟、買っておきたい理由

この計算をしてから、一つ考えが固まりました。
退職する前に、もう1棟買っておきたい。
理由は単純で、会社員である間の方が融資を引きやすいからです。給与収入という「安定した属性」があることで、銀行は貸してくれやすい。退職してしまうと、たとえ不動産収入がそれなりにあっても、審査は厳しくなります。
もう1棟増やせれば、キャッシュフローに余裕が生まれます。最低ラインが50万円台になれば、心理的な安全余裕がかなり違う。退職後の「何かあったとき」への備えとして、今のうちに動いておきたいと思っています。
タイミングと物件次第ではありますが、これは退職を決める前に完了させたい宿題の一つです。
株・FXも視野に入れていること

不動産だけに頼るのも、リスク分散の観点からは心配があります。空室が重なれば収入が下がるし、金利が上がればローン返済が増える。不動産収入は安定しているとはいえ、それだけに依存するのは怖い。
そこで、株式投資とFXも今後の収入源として検討しています。
株式については、すでにインデックスの積立を続けています。ここをもう少し本格的に育てていきたい。配当や値上がり益が、月々の収入を補完できるようになれば理想です。
FXについては過去に痛い経験があります。27歳のときに300万円を溶かした話は、このブログにも書きました。ただあれから20年近く経ち、少額で再開して少しずつ感覚を取り戻してきています。不動産収入を守りながら、FXは小さく扱うというスタンスで続けるつもりです。
どちらも、不動産収入の「代わり」ではなく「補完」という位置づけです。一本足打法にしないことが、退職後の収入設計の基本だと思っています。
収支シミュレーション一覧
| 項目 | 金額(年間) | 金額(月換算) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 家賃収入(グロス) | 2,780万円 | 約232万円 | 4棟合計、満室想定ベース |
| ローン返済(元金+利息) | ▲1,467万円 | ▲約122万円 | 借入残高約2.1億円 |
| 経費(修繕・管理・税等) | ▲約556万円 | ▲約46万円 | 家賃収入の約20%で試算 |
| 計算上のキャッシュフロー | 757万円 | 約63万円 | ベストケースのライン |
| 2025年実績キャッシュフロー | 667万円 | 約55万円 | 現実レベルの基準値(税引前) |
| 最低ラインの想定 | 約540万円 | 約45万円 | 空室増・修繕重複時。余裕がなくなるライン |
シナリオ別・月額キャッシュフロー
| シナリオ | 月額キャッシュフロー | 想定する状況 |
|---|---|---|
| ベストケース | 約63万円 | 空室少・修繕少・経費が計算通りに収まった年 |
| 現実レベル(2025年実績) | 約55万円 | 多少の修繕・空室を織り込んだ「普通の年」 |
| 最低ライン | 約45万円 | 空室複数・修繕重複。生活に余裕がなくなるライン |
まとめ

数字を並べてみると、「生活できないわけではないが、余裕があるとも言い切れない」というのが正直な結論です。
現実レベルの月55万円なら、2人の子どもを抱えながらも暮らしていける。でも教育費のピークが来たり、物件で大きな修繕が重なったりすれば、一気に苦しくなる可能性はあります。
だからこそ、退職前にもう1棟買う。株の配当も育てていく。FXも小さく扱いながら副収入にしていく。そういう動きを今のうちに進めておくことが、退職後の安心につながると思っています。
「不動産収入があるから大丈夫」という感覚だけで退職するのは、少し危ない。数字ときちんと向き合ってから踏み出す——その当たり前のことを、改めて実感した作業でした。
📣 あなたの退職後の収入設計は?
不動産収入・配当・副業など、退職後の収入をどう組み立てているか考えている方がいれば、ぜひコメントで教えてください。同じ立場で考えている人の話が、一番参考になります。
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※本記事の数字は筆者個人の実績・試算をもとにしています。不動産投資のキャッシュフローは物件・エリア・金利・空室状況によって大きく異なります。投資の判断はご自身の状況をよく確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。


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