『今日が人生最後の日だとしたら』——この問いを、45歳の私は毎朝繰り返している

FIRE

新しいことに挑戦しようとするとき、必ず思い出す動画があります。

スティーブ・ジョブズが2005年にスタンフォード大学の卒業式で話したスピーチです。知っている人も多いと思います。あの「Stay Hungry, Stay Foolish」で終わる、あのスピーチです。

最初に見たのは、ちょうど2005年のことでした。当時の私は大学院を卒業したばかりで、4月から社会人生活が始まっていました。

あれから20年が経った今、また見返しました。退職を考えながら。

同じ動画を見て、受け取るものがこんなにも違うのかと、少し驚きました。

【目次】

  1. 2005年、社会人になったばかりの私へ
  2. スピーチが伝えていること
  3. あの頃の私が受け取ったもの
  4. 45歳、退職を前に見返した
  5. 毎朝、鏡の前で問いかけること
  6. 会社が嫌いになったわけじゃない
  7. もう一度、本を読み返した
  8. 2005年の自分と、45歳の自分
  9. まとめ

2005年、社会人になったばかりの私へ

2005年の春は、私にとって節目の多い時期でした。

大学院を卒業して、初めて社会人になった。ちょうどその頃、人生で初めての海外一人旅も経験していました。タイへ一人で行き、カンボジアでアンコールワットを見て、卒業旅行にも行って、帰国した直後のことでした。

そういう時期に出会ったスピーチだったから、余計に刺さったのかもしれません。

高校受験も、大学受験も、大学院での研究も、初めての一人旅も。色々な経験を積んで、これからという時期に、あのスピーチを初めて聞きました。

「すごいことを言っている人がいる」と思いました。でも正直、どこかまだ他人事でした。

スピーチが伝えていること

ジョブズのスタンフォードスピーチは、大きく三つの話で構成されています。

一つ目は「点をつなぐ」という話。大学を中退した後に聴講し続けたカリグラフィーの授業が、後のMacのフォントデザインにつながったというエピソードを話しています。将来を見通して点をつなぐことはできない、でも振り返れば必ずつながっている——そういう趣旨の話です。

二つ目は「愛と喪失」について。アップルを追い出された時期の話です。人生で最大の失敗のように見えたことが、そうではなかったという経験を語っています。

三つ目が「死について」。これが今の私に最も響いている部分です。

ジョブズは毎朝鏡の前に立ち、「もし今日が人生最後の日だとしたら、今日やろうとしていることをやるだろうか」と自分に問いかけていたと話しています(要約)。「No」が続くようなら、何かを変える必要があると。

スピーチの最後は「Stay Hungry, Stay Foolish」という言葉で締められます。

有名な言葉なので知っている方も多いと思いますが、スピーチ全体の流れの中で聞くと、また違う重みがあります。

あの頃の私が受け取ったもの

2005年当時の私は、「すごい言葉だな」と思いながらも、正直なところ、どこかふわっとした受け取り方をしていた気がします。

「人生は有限だ」「やりたいことをやれ」——言っていることは分かる。でも社会人になりたての頃は、まだ「人生が有限である」ということを本当の意味では実感していませんでした。

言葉として理解するのと、体の奥で感じるのは違う。

あの頃の私にとってジョブズのスピーチは、心に残る言葉ではあったけれど、まだ「いつか自分にとっても当てはまる話」でした。今ではなく、もっと先の未来の話。そう無意識に思っていた気がします。

45歳、退職を前に見返した

退職について考えはじめてから、またあのスピーチを見返しました。

見ながら、途中で一時停止しました。

「死を思うことは、何かを失うことへの恐れを取り除いてくれる」という趣旨の言葉のところで。(要約)

20年前は、この部分でそこまで立ち止まらなかった。でも今は違いました。

45歳になって、親の老いも見てきた。自分の体も20代の頃とは違う。職場では後輩たちが増え、時代の変化についていくための努力も昔より意識的になった。「人生には限りがある」という言葉が、もう抽象論ではなくなっていました。

ジョブズがスタンフォードでこのスピーチをしたのは2005年。彼自身はその6年後、56歳で亡くなっています。そのことを知った上で見返すと、また重みが変わります。

同じ動画、同じ言葉なのに、受け取るものがまるで違う。人生の時間軸の中に今の自分がいる場所によって、言葉の意味が変わるんだと、あらためて感じました。

毎朝、鏡の前で問いかけること

ジョブズが話していた「毎朝鏡を見て問いかける」という習慣を、自分でも試してみることにしました。

「もし今日が人生最後の日だとしたら、今日やろうとしていることをやりたいと思うか。」

最初の数日は、こういう問いを毎朝立てること自体が少し気恥ずかしかった。でも続けていると、自然になってきます。

最初のうちは「まあいいか」という感じで答えていました。でも少しずつ変わっていきました。「今日の仕事を、もし人生最後の日にもやりたいか」——その問いに「うん」と答えにくい日が、少しずつ増えてきた。

これは会社が嫌いになったということではありません。仕事の内容が合わなくなったというわけでもない。ただ、「もっと他にやりたいことがある」という感覚が、日々積み重なっていったということです。

答えが「No」の日が増えてきたとき、ジョブズのあの言葉を思い出しました。

「もし答えが連続してNoなら、何かを変える必要がある。」(要約)

📝 私が自分に問いかけていること:「今日が人生最後の日だとしたら、今日やろうとしていることを本当にやりたいか。」この問いに胸を張って「はい」と言える日を、一日でも多くしたい。それだけです。

会社が嫌いになったわけじゃない

これは少し丁寧に書いておきたいと思います。

私は会社が嫌いになったわけではありません。20年以上お世話になった職場です。たくさんの人と出会いました。タイへの赴任も経験させてもらった。専門的な知識も、ここで積み上げてきた。感謝しかない部分の方が多い。

ただ、人生には「卒業」があると思っています。

学校を卒業するのは、その学校が嫌いになったからではない。そこで学べることを学び終えたから、次へ行くのだと思っています。退職も、私にとってはそういう感覚に近い。

ジョブズのスピーチにも、似たような話が出てきます。アップルを追い出された時期を振り返って、「もし私が会社を辞めていなかったら、今のネクストもピクサーもなかっただろう」という趣旨のことを話しています(要約)。

もちろん、私はジョブズではない。追い出されたわけでもない。でも「次がある」という感覚は、少し重なります。

もう一度、本を読み返した

スピーチを見返したついでに、ウォルター・アイザックソンが書いたジョブズの伝記も読み直しました。

分厚い本で、初めて読んだのはずいぶん前のことです。今回読み返して気づいたのは、自分が以前に気にも留めなかった部分に、今は付箋を貼りたくなるということでした。

特に印象に残ったのは、ジョブズが何度も失敗し、何度もやり直してきたという話です。スタンフォードのスピーチでは語られていない部分も含めて、この本には書かれている。

「成功者だから言えることだ」という見方もできると思います。でも私が感じたのはそういうことではなく、人生の節目ごとに「自分は何をしたいのか」を問い続けた人間の話として読めた、ということです。

同じ本が、読むタイミングによってこれほど違う読み物になるのかと驚きました。20代に読んだ本を、40代になって読み直すことを、私はもっとしてもよかったかもしれません。

Amazon.co.jp: スティーブ・ジョブズ I eBook : ウォルター・アイザックソン, 井口耕二: Kindleストア
Amazon.co.jp: スティーブ・ジョブズ I eBook : ウォルター・アイザックソン, 井口耕二: Kindleストア
Amazon.co.jp: スティーブ・ジョブズ II eBook : ウォルター・アイザックソン, 井口耕二: Kindleストア
Amazon.co.jp: スティーブ・ジョブズ II eBook : ウォルター・アイザックソン, 井口耕二: Kindleストア

2005年の自分と、45歳の自分

項目2005年(社会人なりたて)45歳(退職を前に)
スピーチを聞いた状況大学院卒業直後、初の海外一人旅の後20年以上の会社員生活を経て、退職を考えながら
「人生は有限」という言葉の受け取り方言葉として理解できた。でもまだ遠い話だった体の奥で実感している。親の老いも、自分の変化も
「点をつなぐ」という話「そうなんだ」という感じ。自分の点はまだ少なかった振り返ると、自分の点もつながっていると感じる
「毎朝の問いかけ」かっこいい習慣だと思った。実践はしていなかった実際に毎朝やっている。答えが変わってきた
「Stay Hungry, Stay Foolish」言葉として気に入った。でも意味を深く考えなかった「まだ貪欲に、まだ愚直に」——今の自分への言葉として読める
スピーチを聞いた後の行動特になし。ただ心に残った退職の決意が少し前に進んだ

まとめ

20年前に聞いた言葉は、その時も心に残りました。でも、本当の意味で理解できたのは45歳になった今なのかもしれません。

人生はいつでもやり直せるわけではありません。だからこそ、私は自分に問いかけ続けたいと思います。

「もし今日が人生最後の日だとしたら、本当に今日の選択をするだろうか。」

その問いに胸を張って「はい」と答えられる日々を、一日でも多く積み重ねていきたいと思っています。

あなたにも、人生の節目に何度も見返す言葉はありますか。

それは名言でなくてもいい。親に言われた一言でも、好きな本の一節でも。そういう言葉を持っている人は、迷った時に立ち返れる場所がある。そしてその言葉は、人生のステージが変わるたびに、受け取り方が少しずつ変わっていく気がします。

私は今、そのことを実感しています。

📣 あなたには、何度も見返す言葉がありますか?

人生の転機に思い出す言葉や、繰り返し読む本——そういうものがあれば、ぜひコメントで教えてください。名言でも、誰かに言われた一言でも。私も他の人がどんな言葉を持っているのか、とても興味があります。

📌 あわせて読みたい

※本記事はスティーブ・ジョブズのスタンフォード大学卒業式スピーチ(2005年)をもとにした個人の感想・体験記です。スピーチの内容は著作権に配慮し、長文引用を避け、筆者自身の言葉で要約しています。スピーチ原文はYouTube等でご確認ください。本記事は投資・キャリアの助言を目的としたものではありません。

プロフィール
この記事を書いた人
さいかすたろう

さいかすたろう|45歳からの自由研究

20年以上会社員として働きながら、不動産投資と資産形成を続けてきました。現在は総資産3億円。退職後の自由な暮らしを目指して挑戦中です。同じ悩みを持つ方の参考になる情報を発信しています。

さいかすたろうをフォローする
FIRE
さいかすたろうをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました