ずっと言えなかった。
退職したいという気持ちは、何年も前からあった。でも、妻にそれを言い出せずにいた。どう切り出せばいいのか、何度も考えては「まだいいか」と先送りにしてきた。
単身赴任なので、妻と話せるのは週末だけだ。せっかくの週末に、「会社を辞めようと思う」なんて話を持ち出す気にもなれなかった。
それが変わったのは、ある平日のことだった。
【目次】
- 最初のLINEと、消えたメッセージ
- 2度目のLINEと、週末の話し合い
- パワハラの話をしたら、妻は「訴えた方がいい」と言った
- 妻はChatGPTに聞いていた
- 妻が一番心配していたこと
- 数字を整理して、妻に送った
- もし資産が減ったら、会社員へ戻ることも考える
- 私が考えていたこと vs 妻が心配していたこと
- まとめ——退職は、自分一人では決められない
最初のLINEと、消えたメッセージ
会社で、「もう限界かもしれない」と思うことがあった。
詳しくは書けないが、積み重なってきたものがある日ふっと溢れた感覚だった。そのタイミングで、妻にLINEを送った。
「もう会社を辞めようと思う。」
勢いだった。深く考えてから送ったわけじゃない。
すぐに返事が来た。「タイから帰ってきたばかりだから、まだ慣れていないだけじゃない?」という内容だった。
でも、そのメッセージはすぐに消えた。
削除されたんだと思う。送ってから、「これは言うべきじゃなかった」と思い直したのだろう。
その気持ちは、なんとなく分かる気がした。慰めているつもりが、責めているように聞こえたかもしれない。妻は妻で、どう返せばいいか迷ったのだと思う。その後、退職の話はしばらく出なかった。
2度目のLINEと、週末の話し合い
また会社で、辞めたいと思う出来事があった。
今度は少し違う聞き方をした。「いくらあれば辞めてもいいと思う?」と送ってみた。お金の話から入ろうと思ったのかもしれない。論理的に聞こえる方が、伝わりやすいかとも思った。
返事は「週末に帰ってきたら話そうか」だった。
LINEで片付く話じゃない、ということだと理解した。その週末、久しぶりにちゃんと話した。
パワハラの話をしたら、妻は「訴えた方がいい」と言った
まず、職場で起きていたことを話した。パワハラに近い状況が続いていたこと、それが積み重なって限界が近い気がしていること。
妻は真剣に聞いてくれていた。そして「それなら会社を訴えた方がいい」と言った。
悪意ある言葉ではなかった。妻なりに、私のことを守ろうとしてくれていたのだと思う。
ただ、私は争いたいわけではなかった。今の会社に感謝していないわけでもない。20年以上お世話になった職場だ。静かに、円満に、次のステージへ進みたいというのが本音だった。
そのことを伝えると、妻は黙って聞いていた。
妻はChatGPTに聞いていた
しばらくして、妻が言った。「ChatGPTに聞いたら、ちゃんと収入を確認した方がいいって言われた。」
少し笑ってしまった。でも、正直な反応だと思った。
分からないことがあれば調べる。私も同じことをする。それが今の時代だし、妻がこの問題を自分なりに考えようとしていた証拠だとも思った。責める気持ちは全くない。むしろ、一緒に考えようとしてくれていることが伝わってきた。
そして、「収入を確認する」というのは、当たり前に正しい。それは私も分かっていた。
妻が一番心配していたこと
話し合いを続けるうちに、妻が一番心配しているのは何かが分かってきた。
子どもの教育費だった。
これから学費がかかる時期がある。生活費も必要だ。私の給与がなくなれば、今と同じように資産が増え続けるわけではない。その不安は、当然のことだ。
私は「大丈夫だよ」と言いたい気持ちがあった。でも、根拠もなく安心させようとするのは違う。妻の心配は、正しい心配だ。感情で否定するより、数字で向き合う方が誠実だと思った。
数字を整理して、妻に送った
そこで、現在の状況を全部まとめた。
会社の給与収入、不動産からの家賃収入、保有資産の状況、毎月の生活費、子どもの教育費の見通し——それらをできるだけ正確に整理して、妻に送った。
自分でも、改めて数字を並べてみた。
会社の給与がなくなれば、資産の増えるスピードは落ちる。それは事実だ。でも、家賃収入があって、保有資産がある状態で、生活できなくなるかと言えばそうではない。少なくとも、今の見立てでは。
ただ、「今の見立てでは」というのが重要だ。将来のことは分からない。予期しない出費が重なることもあるし、家賃収入が下がることもあり得る。その不確実性を無視して「大丈夫」と言うのは無責任だと思っていた。
もし資産が減ったら、会社員へ戻ることも考える
数字を整理する中で、自分の中でひとつ決めたことがある。
もし退職後に資産があるラインを下回るようであれば、会社員へ戻ることも考える。
そう決めたら、不思議と気持ちが落ち着いた。退職は「一度切り」の選択ではない。会社員を辞めても、また戻る選択肢もある。そう考えると、退職の決断がもう少し冷静に見えるようになった。
妻にもその考えを伝えた。どう受け取ってくれたかは、まだはっきりとは分からない。でも、話は続いている。それだけは分かる。
今も、答えは出ていない。
私が考えていたこと vs 妻が心配していたこと
| 私が考えていたこと | 妻が心配していたこと |
|---|---|
| 家賃収入と保有資産があれば生活できる | 給与がなくなったら将来の資産はどうなるのか |
| 精神的な余裕を取り戻したい | 子どもの教育費はどうするのか |
| 植物事業・不動産・ブログで収入の柱を増やせる | 事業がうまくいかなかった場合はどうなるのか |
| 会社と争いたいわけではなく、静かに卒業したい | それならなぜ今辞める必要があるのか |
| ダメなら会社員に戻ればいい | 本当に戻れるのか。年齢を考えると不安 |
| 長く続けることより、自分らしく生きることを優先したい | 家族全員が安心して暮らせることが最優先 |
どちらが正しいとか、どちらが間違っているとかではない。どちらも、それぞれの立場から当然出てくる考えだと思っている。
まとめ——退職は、自分一人では決められない
この話をまとめる言葉を探していたが、うまく見つからない。
退職は、自分一人で決めるものではないと、今さらながら実感している。家族がいれば、お金のことも、子どものことも、将来のことも、全部一緒に考えなければならない。それが当たり前のことで、妻の心配は、当然の心配だ。
私はずっと「退職をどう伝えるか」を考えていた。でも本当に大事なのは「伝える」ことではなく「話し合う」ことだったと思う。自分の気持ちを説明して、妻の不安を聞いて、お互いが納得できる答えを探す。その過程を省略して「退職します」とは言えない。
今も、夫婦の話し合いは続いている。答えはまだ出ていない。でも、話せていること自体が前に進んでいることだと思っている。
退職は、自分一人で決めるものではありません。家族がいるなら、なおさらです。
私は会社を辞めたいと思っています。でも、それ以上に大切なのは、家族が安心して笑って暮らせることです。だから私は、急いで答えを出すつもりはありません。
これからも妻と話し合いながら、一歩ずつ前に進んでいこうと思います。このブログでは、その過程も正直に書いていきます。
📣 あなたはどうでしたか?
退職や転職を家族に話した経験がある方——どんな反応でしたか。どう話し合いましたか。「うちも同じだった」「こうやって乗り越えた」など、ぜひコメントで聞かせてください。私自身もとても参考にしたいと思っています。
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※本記事は個人の体験・見解をもとにしています。退職・資産形成の判断はご自身の状況をよく確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。


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