職を伝えた翌日、上司から「うらやましいな」と言われた話|経済的自由が教えてくれた選択肢の意味

FIRE

【目次】

  1. 退職を伝えた翌日の朝
  2. 「不満があるなら組織を変えることもできる」
  3. でも、理由はそこではなかった
  4. 上司から返ってきた「うらやましいな」
  5. あの一言には何が込められていたのだろう
  6. 会社員は、思った以上に投資をしていないのかもしれない
  7. 「財テクなんてやらずに仕事に集中しろ」という価値観
  8. 資産があると仕事に本気になれないのか
  9. 「いつ辞めてもいい」という気持ちがくれる自由
  10. 今の仕事にも楽しい部分はあった
  11. ただ、その先の景色が見えてしまった
  12. 「うらやましい」が背中を押してくれた
  13. 資産形成の本当の目的
  14. このブログで伝えたいこと

1.退職を伝えた翌日の朝

直属の上司に退職の意思を伝えた翌朝、出社してすぐに一つのメッセージが届きました。

「少し話がしたい」

送り主は、さらに上の上司でした。

断る理由はありません。前日に退職の意思を伝えたばかりなので、「当然、この話だろうな」とは思っていました。ただ、対立しているわけでも、何かトラブルがあったわけでもない。そういう面談だから、どこか静かな緊張感が漂っている感じでした。

📚 前日に直属の上司へ退職の意思を伝えた日のことはこちら:[退職の意思を伝えた日のこと]

2.「不満があるなら組織を変えることもできる」

面談では、前日に直属の上司へ話した内容を、もう一度整理して話しました。

一通り聞いてもらったあと、その上司は言いました。

「仕事や組織への不満があるなら、上へ掛け合って組織を変えてもらうこともできる。」

そこまで動いてもらえるとは、正直思っていませんでした。ありがたかった。これだけの立場の人が、一人の退職の話のためにそこまで考えてくれるのだと。

ただ、ありがたいと感じたからこそ、余計に正直に話さなければいけないと思いました。

3.でも、理由はそこではなかった

「そこではないんです」と伝えました。

組織への不満が理由なら、配置を変えることで改善する可能性があります。仕事内容が合わないなら、別のポジションを探すこともできる。その上司が提案してくれていたのは、そういうことです。

ただ、私が退職したい理由は、組織の問題ではありませんでした。

自分で新しいことに挑戦したい。そうとだけ伝えて、詳細は説明しませんでしたが、不動産の運用を自分で動かしたい。法人として次の展開を考えたい。海外での生活を試してみたい。植物を探す旅がしたい。ブログを書き続けたい。自分が選んだことに、自分の時間を使ってみたい。

こうしたことは、組織を変えることでは解決しません。会社の中にいる限り、会社の時間軸の中で動くことになる。そこから自由になりたい、というのが本当のところだと伝えました。

4.上司から返ってきた「うらやましいな」

私が話し終えたあと、少し間があって、上司はこう言いました。

「そうか。うらやましいな。」

正直、この言葉は予想していませんでした。

その上司は、私から見ると仕事に非常に真剣な人です。責任感も強い。仕事そのものへの情熱が伝わってくる場面も何度もありました。だから「なぜこの仕事を辞めるのか」と思われるのではないか、とどこかで覚悟していた部分がありました。

でも返ってきたのは「うらやましい」という言葉でした。

少し時間が経っても、その一言だけが頭に残っています。

5.あの一言には何が込められていたのだろう

その上司が何を考えて「うらやましい」と言ったのか、本当のところは分かりません。

人生に迷いがあったのか、それとも単純に自由な挑戦への羨望だったのか、あるいはその場の思いつきの言葉だったのか。私には判断できません。

ただ、仕事に全力を注いでいるように見える人でも、自分とは違う人生について想像する瞬間があるのかもしれない、とは感じました。

人はみんな、外から見える姿だけで生きているわけではない。それだけのことかもしれません。でも、その当たり前のことを、改めて気づかせてもらった気がしました。

6.会社員は、思った以上に投資をしていないのかもしれない

面談を終えて席に戻りながら、少し考えました。

長く会社員として働き、それなりの収入を得てきた人が、資産形成をどのくらいしているかは、人によって本当にまちまちです。同じ給与をもらっていても、支出の使い方、投資の経験、知識のある・なし、関心の向き方——そういった違いによって、年月とともにかなりの差が生まれます。

「会社を辞めたいと思ったとき、辞められるだけの土台があるかどうか」は、収入の高さだけでは決まらない。

その人がどれだけ、収入以外の部分に目を向けてきたかによって、選択肢の数は変わってくる。今回の面談で、そのことを改めて感じました。

7.「財テクなんてやらずに仕事に集中しろ」という価値観

以前、別の上司が話しているのを聞いたことがあります。

「財テクなんてやらずに、業務に集中しろ。」

「財テク」という言葉は今では少し古い響きがありますが、その考え方自体は今でも根強くあると思います。本業に集中する、会社で成果を上げる、昇進する、給与を増やす——という価値観です。

この考えを否定するつもりはありません。仕事に集中することで、専門性も磨かれるし、人脈もできるし、経験も積まれる。昇進して給与が上がれば、生活の余裕も生まれます。それはそれで意味のある積み上げだと思います。

ただ私は、会社の外にも資産や収入の柱を持つことに、別の意味を感じてきました。仕事に集中することと、会社以外の資産を育てることは、必ずしも相反しないとも思っています。

8.資産があると仕事に本気になれないのか

「いつでも辞められると思っていると、仕事への姿勢が甘くなるのでは」と感じる人もいるかもしれません。

確かに、その側面はあります。切羽詰まった状況が人を本気にさせることは事実です。

ただ、私自身は少し違う経験をしてきました。

「辞めても生きていける」という感覚があると、必要以上に上司の顔色をうかがわなくて済む。上司の方針に対して違うと思えば意見を言える。無理な指示に対して疑問を持てる。昇進だけを目的に動かなくていい。

そういう状態でいられることで、むしろ余計な忖度が減り、自分が本当に正しいと思うことに集中できた場面もありました。

もちろん、「資産があるから無責任でいい」とはまったく思っていません。それは話が違います。ただ、経済的な余裕は、仕事への態度を弱めるのではなく、姿勢を自分で決められる余地を増やしてくれることがある、というのが私の実感です。

9.「いつ辞めてもいい」という気持ちがくれる自由

FIRE(Financial Independence, Retire Early)を一言で言うと「経済的自立と早期退職」ですが、私にとって最も大きな意味は、実際に会社を辞めることではありませんでした。

「辞めようと思えば、辞められる」という状態を持てること。

その感覚を持てると、仕事との距離感が変わります。給与を失うことへの恐怖が少し小さくなる。上司の評価だけで人生を決めなくてよくなる。今の仕事が本当に自分に合っているかを、フラットに考えられる。もし合わなければ、別の道も選べる、と思える。

それが、私が資産形成を続けてきた中で積み重なってきたものの一つだったのだと、今回の面談を経て改めて感じました。

📚 人生の転機を前に思い出した言葉:人間万事塞翁が馬|退職・転職・人生の転機に迷ったとき思い出してほしい言葉

10.今の仕事にも楽しい部分はあった

ここは正直に書いておきたいのですが、今の仕事が全部嫌だったわけではありません。

仲間と同じ方向を向いて、何かを一緒に進めていく感覚は、好きでした。チームで動くことの一体感、うまくいったときの達成感、そういったものは確かにありました。今の会社でのポジションを続けようと思えば、続けることもできたと思っています。

だから、今回の退職は「逃げ」ではないと自分では思っています。嫌だから辞めるのではなく、この先も同じ道を進むより、自分で新しい道を作ってみたい、という選択です。

📚 本を読んで今後の人生を考えた:DIE WITH ZEROを読んで

11.ただ、その先の景色が見えてしまった

20年以上会社員を続けていると、このまま進んだ先の景色がある程度見えてきます。

どういう仕事をするか、どういう立場になるか、どういう生活になっていくか——それが具体的に想像できるようになってきました。

それ自体は悪いことではありません。先が見えているということは、安定しているということでもあります。ただ、私には「もう一度、自分で何か新しいことを始めてみたい」という気持ちが残っていました。

この気持ちを今抑えてしまったら、10年後に「あのとき動いておけばよかった」と思うのではないか。そう感じたことが、退職を決めた一つの理由です。

12.「うらやましい」が背中を押してくれた

上司の「うらやましいな」という言葉を聞いて、私が最初に感じたのは「申し訳なさ」でも「誇らしさ」でもありませんでした。

「自分は今、辞めるという選択肢を持てているんだな」という、静かな実感でした。

この選択肢は、最初からあったわけではありません。会社員として働きながら、不動産に投資し、株式に少しずつ積み上げてきた。支出を管理し、法人を作り、資産の記録を続けてきた。その積み重ねが、今この選択肢につながっています。

その選択肢を持てていること自体が、ありがたいことなのだと気づかせてくれた一言でした。

13.資産形成の本当の目的

振り返ってみると、私が資産形成を続けてきた目的は、高級車を買うことでも、大きな家を持つことでも、資産額を競うことでもありませんでした。

自分の人生を、自分で選べる状態を作ること。

お金そのものが自由なのではありません。ただ、お金があることで「嫌ならやめる」「違うと思えば断る」「別のことをやってみる」という選択肢を持てる。

私にとって資産形成の一番大きな価値は、資産額そのものではなく、そうした選択肢を増やすことだったのだと今回改めて思いました。

会社員として得られるものと、経済的な基盤があることで増える選択肢

会社員として得られるもの経済的な基盤があることで増える選択肢
安定した給与仕事を変える
組織の信用独立する
仲間との一体感自分で働く相手を選ぶ
社会保障働き方を変える
キャリア一度休む
定期収入やりたいことに挑戦する

※どちらが優れているという話ではありません。それぞれに意味があり、状況によって大切にするものは変わります。

資産形成で積み上げてきたもの

資産形成で増えたもの筆者が感じる価値
金融資産将来への安心
不動産収入給与以外の収入源
投資の経験お金への理解
現金余力挑戦できる余白
選択肢会社に依存しない自由

14.このブログで伝えたいこと

「みんなFIREすべき」とは思っていません。

今の仕事が好きで、長く続けたい人がいます。組織の中で仲間と働くことに喜びを感じている人がいます。それはとても自然なことで、それでいいと思っています。

ただ、もし将来「ここから離れたい」と思ったときに、お金だけを理由に残らなければならない状態にはしてほしくない、とは思います。

少額でも投資を始めてみること。固定費を見直すこと。NISAなどの制度を知ること。会社以外の収入源の可能性を考えてみること。資産を記録し、自分の状況を把握すること。

そういったことを少しずつ積み重ねておくことで、10年後・20年後の自分の選択肢は確実に変わってきます。

このブログでも、資産をいくらにするかだけでなく、どうすれば人生の選択肢を増やせるのかを、これからも自分の経験を通して書いていきたいと思っています。

📚 FIREを目指す中で読んで刺さった一冊:『DIE WITH ZERO』を読んでFIREを目指している今の自分に刺さった話


この出来事から考えたこと

  1. 仕事に全力で向き合っている人でも、それぞれに人生の迷いや想いを持っているのかもしれない。
  2. 資産形成の価値は、資産額そのものより「自分で選べる状態」にある。
  3. 「辞めても生きていける」という感覚は、仕事への姿勢を弱めるのではなく、余計な忖度を減らしてくれることがある。
  4. 会社員として働きながら、会社の外にも収入や資産を育てることは、相反しない。
  5. 退職は「嫌だから逃げる」でも「FIREに成功した」でもなく、「次を自分で選ぶ」という行為だった。

まとめ

退職を伝えた翌日、私は上司から「うらやましいな」という言葉をもらいました。

なぜそう言ったのか、本当のところは分かりません。ただ、その一言を聞いて、私は改めて「会社を辞めるという選択肢を持てていること」自体がありがたいことなのだと思いました。

私も最初から自由だったわけではありません。会社員として働き、給与をもらい、不動産や株式へ少しずつ投資してきました。その積み重ねが、今になって「この道を続けるか、それとも違う道へ行くか」を自分で決められる状態につながっています。

私は会社員という生き方を否定するつもりはありません。今の仕事が好きで、ずっと続けたいのであれば、それはとても幸せなことだと思います。

ただ、もし将来「ここから離れたい」と思ったときに、お金だけを理由に残らなければならない状態にはしたくない。

私にとって資産形成の一番大きな意味は、資産額そのものではなく、そうした選択肢を増やすことだったのだと思います。

このブログでも、資産をいくらにするかだけではなく、どうすれば人生の選択肢を増やせるのかを、これからも自分の経験を通して書いていきたいと思います。


読者への問いかけ

もし今の会社を辞めるとしたら、何が一番の壁になりそうですか?

その壁が「お金だけ」なら、今から少しずつ変えていける可能性があります。

資産形成は、老後のためだけではなく、今この瞬間の選択肢を増やすためにもなり得るものだと思っています。

📌 あわせて読みたい

プロフィール
この記事を書いた人
さいかすたろう

さいかすたろう|45歳からの自由研究

20年以上会社員として働きながら、不動産投資と資産形成を続けてきました。現在は総資産3億円。退職後の自由な暮らしを目指して挑戦中です。同じ悩みを持つ方の参考になる情報を発信しています。

さいかすたろうをフォローする
FIRE
さいかすたろうをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました