📖 この記事は前回の続きです
前回は、静岡銀行に不動産融資を相談し、審査の過程で「償還力がギリギリ」と言われた経緯を書きました。→ 【前回記事:融資審査で「償還力がギリギリ」と言われた】
【目次】
- 結果はNG。理由は物件だった
- 個人属性は問題なし、という言葉
- 仲介さんはやる気になってくれた
- 融資が通ったら退職するつもりだった
- 「急がなくていい」という結論
- 金融庁の新方針について調べてみた
- 退職前に買うなら、これくらいの基準で
- 売却という選択肢も出てきた
- 今の方針:持ちながら、次を探す
1.結果はNG。理由は物件だった
静岡銀行への融資申請の結果が出た。
NGだった。
理由は、「本件物件への融資は、評価査定金額・将来的にかかると見込まれる修繕費の負担等を総合的に判断した結果、融資不可と判断した」というものだった。
要するに、物件の問題だ。銀行として評価できる金額に対して、将来のコスト(修繕費を中心とした維持費用)が重くなると判断された。特にこのような築古物件で、銀行が将来の修繕コストリスクを織り込んだ場合、評価が厳しくなるのは想定の範囲内ではあった。
それでもNGという結果を受け取ると、少し立ち止まる気分になる。
2.個人属性は問題なし、という言葉
銀行からの回答に、一つ付言があった。「個人の属性(収入・信用情報等)については問題はない」という内容だった。
つまり、私自身の問題ではなく、物件の問題だということだ。
これは、ある意味で次のアクションを考えやすくする情報でもある。今の自分が銀行評価として問題ないのであれば、物件を変えれば結果は変わりうる。ただし、「変えれば通る」と楽観するよりは、「どういう物件であれば通るか」を一度整理した方がよいと思った。
3.仲介さんはやる気になってくれた
この結果を仲介さんに伝えると、「また良い物件を探します」と言ってくれた。
正直、この反応には少し救われた。NGが出るとトーンが下がるケースもあると思っていたが、そうではなかった。個人属性に問題がないということは、仲介さんとしても物件の条件さえ整えばまとめられる案件として見てくれているのだろう。
次の物件を探す際には、今回の反省を活かした基準で探したいと思う。
4.融資が通ったら退職するつもりだった
ここからは少し個人的な話になる。
実は今回の融資が下りたら、会社を辞めることを伝えようと思っていた。不動産投資を事業として本格的に進めるタイミングにしようという気持ちがあった。
それがNGになって、その計画は一旦止まった。
悔しいかというと、そうでもない。むしろ「今焦って動かなくていい、という意味なのかもしれない」と思う気持ちの方が大きかった。スピリチュアルな話をするつもりはないが、タイミングというものはある。そのタイミングではなかったというだけで、方向性が間違っているとは思っていない。
5.「急がなくていい」という結論
ひとまずChatGPTに状況を整理して相談してみた。
結論として言われたのは、「今焦って買う必要はない」ということだった。
特に退職を視野に入れているのであれば、退職前の購入はより慎重であるべきだという意見だった。給与収入がある状態での融資審査と、退職後の融資審査では銀行の見方が変わる。収入の安定性という観点で、在職中の方が有利に働く一方、退職を前提にした物件購入で融資を受けることにはリスクもある。
「今の基準で買えない物件は、今は買わなくていい」というシンプルな答えだった。
6.金融庁の新方針について調べてみた
ChatGPTが調べてくれた情報の中で、一つ参考になったものがあった。金融庁の融資に関する新しい方針についてだ。
2026年5月25日から、事業性融資に関する新しい枠組みが施行されている。内容としては、銀行が融資の判断をするにあたって、事業の実態・将来のキャッシュフロー・返済可能性を正しく理解したうえで、適切な融資手法を選ぶことを明確にしている方向性だという。
これは、不動産賃貸法人への融資が必ず通るようになるという意味ではない。ただ、長期的には「給与所得として信用される個人」ではなく、「事業として返済できる法人」を作る方向が評価される流れに合っているという見方もできる。
そういう意味では、今は焦らず、事業体としての法人を着実に育てていく時期なのかもしれない、と思った。
7.退職前に買うなら、これくらいの基準で
では、次に物件を探す際にどのような基準を持てばよいか。ChatGPTにも意見を聞きながら、自分なりに整理した。
特に退職を見据えた購入であれば、基準はより厳しく持つべきだという話になった。
| 指標 | 狙う水準 |
|---|---|
| 表面利回り | 8.5%以上、理想は9%以上 |
| NOI利回り | 6.5%以上 |
| DSCR(返済余裕率) | 1.4以上、理想は1.5以上 |
| 融資期間 | 25年以上を優先 |
| LTV(借入比率) | 70〜85%程度 |
| 再建築 | 可(再建築可を優先) |
| 遵法性 | 問題なし |
| 大規模修繕 | 今後5年分の費用を織り込んだうえで収支が成立すること |
| 返済後キャッシュフロー | 年間150〜200万円以上 |
| 土地・担保評価 | 銀行評価が極端に低くない物件 |
この基準を全て満たす物件は、そう簡単には出てこない。ただ、基準を下げて買った物件が融資審査で引っかかる、という繰り返しをするくらいなら、基準を守って待つ方が合理的だと思う。
特に「再建築可」については、今回の反省が直接反映されている。銀行が担保として評価しやすい物件かどうかは、融資の通りやすさに直結する。
8.売却という選択肢も出てきた
ChatGPTとの会話の中で、もう一つ提案が出てきた。
現在、法人で保有している物件の売却だ。
この物件は東京23区の物件で、再建築不可の築古アパートが建っている。今期で減価償却もほぼ終わる見込みになっている。
現在の相場で売却した場合、諸費用・税金等を差し引いた手残りとして5,000万円程度のキャッシュが残る可能性があるという試算になった。正確な数字は条件次第だが、オーダーとしてはそのくらいになる。
そのキャッシュで、より条件の良い物件に買い替える。あわせて、法人に入れている役員借入を返済できれば、法人のバランスシートが整理される。その後は純粋に法人のキャッシュで事業を拡大していける。ChatGPTはそういう提案をしてきた。
言っていることは分かる。理屈としては正しい。
ただ、今の物件はキャッシュフローも出ているし、土地の積算として再建築不可であっても面積はそれなりにある。「数字が合うから売る」とはすぐに思えない。
9.今の方針:持ちながら、次を探す
現時点の自分の方針は、今の物件を売却せずに持ちながら、次の一棟を探す、ということだ。
売却して5,000万円のキャッシュを作れても、その後に買える物件の目処がなければ意味がない。今の物件はキャッシュフローを生んでくれている。手放してキャッシュにしても、運用できなければただの現金だ。
もちろん、次の物件が見つかって「今の物件を売ってその資金で買う方が明らかに良い」という状況になれば、その時点で改めて考える。ただ、今すぐ売るという判断には至っていない。
今回の融資NGで、少し整理ができた気がする。
急がない。基準を守る。今の法人を育てながら、次の物件を丁寧に探す。それが今の方針だ。
今回の整理:融資NGから学んだこと
| 項目 | 今回の状況 | 今後の方針 |
|---|---|---|
| 個人属性 | 銀行評価に問題なし | 維持する(在職中の間に動く) |
| 物件評価 | 修繕費リスクで評価が下がった | 再建築可・遵法性・修繕見込みを優先 |
| 退職タイミング | 融資NGで一旦保留 | 次の物件と融資が整ってから再検討 |
| 既存物件(23区) | CF出ている・減価償却終了見込み | すぐには売らない。持ちながら次を探す |
| 役員借入 | 売却で返済可能なシナリオあり | 売却するかどうかは次の物件次第 |
| 次の物件基準 | 今まで甘かった部分あり | 表面9%・DSCR1.4以上・再建築可を軸に |
まとめ
静岡銀行の融資審査はNGだった。個人属性ではなく、物件が理由だった。
退職の計画も一旦止まった。ただ、それを残念とは思っていない。むしろ、「まだ準備が整っていない」という信号として受け取った。
仲介さんは次の物件を探すと言ってくれている。金融庁の方針も長期的には法人としての事業実態が評価される方向だ。今は焦らず、自分が守れる基準を整理して、次の物件を待つ。
現在持っている物件は引き続き運用していく。売却は状況次第で検討するが、今すぐ動く理由はない。
次に何か動きがあれば、またここに書く。
📚 前回記事:融資審査で「償還力がギリギリ」と言われた
📌 あわせて読みたい
- 不動産融資の本3冊——銀行員目線で書かれた本が投資家には一番効く
- FIRE後の生活拠点を探している——500万円以下の戸建2件を内見して、両方見送った話
- 不動産投資1棟目を買うまでの道のり——物件選び・融資・実際の流れ
- 退職後の収入を計算してみた——不動産4棟・年間キャッシュフローの実数公開
- 退職前にやっておくこと10選——会社員の信用があるうちにしかできない準備
- 会社員の信用を失う前に銀行と確認すること——退職前の融資対策
- 45歳でFIREするまでの全スケジュール——退職を伝えてから最終出社日までの2か月を記録する
- 不動産投資で法人をつくった理由——個人と法人の使い分けと、切り替えのタイミング


コメント